経営戦略

日本経済は、継続してインバウンド需要に支えられるとともに、賃上げ効果により実質賃金はプラスに転じることが見込まれることから、個人消費についても緩やかながらも回復に向かうことが予想されます。しかしながら、欧米を中心にインフレ抑制に向けた金融引締めにより世界経済はスローダウンが見込まれるとともに、中国経済は需給ギャップの解消には至らず低迷が続く可能性が高いため、経済環境は不透明な状況が続くと予想されます。このような状況の中、当社は、以下の施策を実施することにより、次なる成長に向けての基盤固めを行ってまいります。

マネジメント

コーポレートガバナンス

当社では、長年にわたりコーポレートガバナンスの充実に努めた結果、コーポレートガバナンスの強化が会社の質の向上と収益性の向上に寄与すると考えており、2024年度より導入される内部統制制度の改定にあたっても適切に対応するとともに、今後も従業員の意識の徹底と継続的な内部統制システムの改善を実施し、その充実に努めてまいります。
また、従業員だけでなく、経営者が常に真摯に取り組む姿勢を持つことが最も重要なことであると考えており、より一層高い意識を持ち経営に取り組んでまいります。
さらに、組織の内外の変化に対応するために、数年に一度、徹底的な見直しが大切であると考えておりますが、これまで、東京証券取引所への上場時やDX化等を目的とした新基幹システムの構築時に全体的な見直しに取り組んでまいりました。このような取り組みを重ねながら、会社の質を向上させ、ステークホルダーの皆様に、より信頼していただける組織を目指してまいります。

人材の獲得と育成

当社は、商社にとって最も重要な経営資源は人材であると考えており、これからも有能な人材の採用と教育に力を入れてまいります。
少子高齢化の中で、国内においては人材獲得が難しさを増しておりますが、当社においては全社的な努力により、質・量ともに計画通り採用できるよう努めております。今後も性別や国籍を問わず、未来の南陽の中核となる人材の獲得に向けて、会社の知名度の向上や、働き甲斐のある職場作りに努めるとともに、社内外での教育を通じて人材の質の向上にも努めてまいります。

働き甲斐のある職場作り

当社では50年以上にわたり「働き甲斐のある職場作り」を経営理念の一つとして掲げてまいりました。働き方改革の実践として、2023年4月より人事制度を改定し、エリア職とフリー職に職種区分を変更いたしました。転勤可否による差はあるものの、性別を問わず、能力に対して評価する仕組みを設けており、次世代リーダーの育成や女性管理職の増加に努めてまいります。また、2024年4月より、社会の要請に応えるとともに、従業員のモチベーション向上や人材の定着に向けて5.6%の賃上げも実施しております。今後も同一労働・同一賃金、子育て支援、長時間労働の防止などの取り組みをこれまで以上に推進するとともに、2023年7月より稼働した新基幹システムを活用し、労働生産性の向上をはかりながら、より良い職場環境の創造に努めてまいります。

サステナビリティへの取り組み

当社は、2024年3月にサステナビリティ委員会を設置し、現在は、マテリアリティ(重要課題)の特定に向けた取り組みを進めております。
当社では「社会への貢献」を経営理念の一つとして掲げ、事業を通じてお取引先を始めとするステークホルダーの皆様のご要望にお応えするとともに、企業の社会的責任として地球環境保護に配慮した経営に取り組んでまいりました。サステナビリティ委員会を設置することで、これまでの取り組みをさらに推し進めることができるとともに、マテリアリティの解決に注力することで、より一層の企業価値向上がはかれるものと考えております。今後も、重要な社会の諸問題の解決に貢献することで、企業使命を果たし、事業の長期的持続と発展を目指してまいります。

マーケティング

当社は、様々な商品・サービスを提供しておりますが、今後、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて、以下のような社会のニーズに焦点を当て、さらなる社会への貢献と事業の発展に取り組んでまいります。

新商品開発に向けた取り組み(SDGs:9.産業と技術革新の基盤をつくろう)

当社は、機械商社として数多くのお客様やサプライヤーの間に立ち、ニーズと技術のマッチングを行ってまいりました。
産業機器事業では、現在、産業界における省力化ニーズの高まりを受け、様々な製品の検査工程に焦点をあて、国内外の優良なベンチャーメーカーの発掘を行い、商品展開を行っております。今後も、お客様のニーズを的確に捉え、商品の拡充に努めてまいります。

国土強靭化に向けた取り組み(SDGs:11.住み続けられるまちづくりを)

先進国においては、社会インフラの老朽化が進んでおり、その保全が大きな問題となっております。当社は、都市の下水管の更生工事に不可欠なロボットに関して、国内で80%程度のシェアを持つ独自商品を展開しております。今後、大都市だけでなく地方都市においても下水道管の老朽化問題の拡大が想定されることから、ニーズに対応できる組織の構築と、お客様のご要望に合わせた新製品の開発に努めてまいります。

環境保全に向けた取り組み(SDGs:13.気候変動に具体的な対策を)

近年、地球環境の変化により温暖化が進み、自然災害が相次ぐ等、その影響が顕著に表れております。このような中、当社では地球環境の保全と自然災害等の対応に向け、以下の取り組みを行っております。
まず、ISO14001を2002年に取得し、省エネルギーやリサイクル等の環境関連商品の拡販を環境目標として掲げてまいりました。また、建設機械事業では、レンタル用機械の排ガス規制適合車への変換を計画的に進めております。さらに、自然災害の多発する九州地域においては、災害復旧や国土強靭化に対応できるように機械を取り揃えております。
今後も、環境に配慮した商品の拡販や災害対応に向けた取り組みに注力してまいります。

省人化に向けた取り組み(SDGs:8.働きがいも経済成長も)

日本における社会的課題の一つである少子高齢化が急速に進む中で、労働生産性が諸外国に比べ低いことが挙げられております。当社では、産業界の省人化に寄与することで、この問題の解決に取り組んでまいります。
産業機器事業では、長年培ったロボットやFA市場でのノウハウと、製造業である子会社4社の技術開発力を活用し、検査装置をはじめとする様々な省人化に関する商品の提供に努めてまいります。また、建設機械事業では、災害復旧作業をはじめとする工事現場での人手不足が顕著になる中、今後はICT建機の普及が見込まれることから、プロジェクトチームを作り、積極的に販売展開を進める体制を整えてまいります。

ファイナンス

キャッシュフローと事業の持続性

当社は、安定した財務体質を活用して、企業使命を果たすべく投資を行い、事業の持続性と発展を達成してまいります。
これまで20年以上、営業キャッシュフローは黒字を計上し、バランスシートもその健全さを増しております。この安定した営業キャッシュフローと財務体質を利用して地球環境の変化や少子高齢化等に伴う諸問題の解決に貢献するため、設備投資やM&Aなどの投資を積極的に行ってまいります。
今後も、重要な社会の諸問題の解決に貢献することで、企業使命を果たし、事業の長期的持続と更なる発展を目指してまいります。

株主還元の強化

事業をとおして、すべてのステークホルダーの皆様のお役に立つために、株主の皆様には、これまで以下のような施策を行ってまいりました。
2024年度から配当性向については連結純利益の30%程度を維持するとともに、利益水準に関わらず安定配当として1株につき年間20円の配当を維持(ただし、連結純利益が配当総額を下回る場合は、連結純利益の範囲内での配当額)することとしております。2015年度からは株主の皆様への利益還元の機会を充実させるため中間配当を実施し、剰余金の配当についても年2 回行うことといたしておりますが、2016年度からは、株主還元の一層の強化をはかるため、株主優待制度を導入し、3月末に100株以上保有する株主の皆様へ一律1,000円分(保有期間3年以上は1,500円分)のクオカードを贈呈することといたしました。また、2024年4月には株式分割を実施し、株式の流動性向上や、投資しやすい環境への整備を進めるとともに、株式分割後も株主優待制度の対象及び内容を維持することにより、実質的に株主優待制度を拡充しております。
当社は、今後とも事業の持続的な発展に努めながら、積極的に株主の皆様への還元に努めてまいります。

会 計

新基幹システムの活用

当社は、20年以上利用してきた基幹システムを全面的に刷新し、2023年度より新基幹システムの利用を開始いたしました。
新基幹システムには、DX化推進の流れに対応するべく、クラウドサービスへの移行やBIツールの導入をはじめとした最新の機能を搭載している各種システムを採用し、お客様のニーズにいち早くお応えできるような体制を構築しております。システム内の新機能を活用し、より充実した情報の分析、スピード感のある経営判断、効率的な営業活動の実現を目指すとともに、今後も時流にあわせて、先進技術を取り入れながら、業務改善、生産性向上に努めてまいります。

国際会計基準(IFRS)への対応

企業のグローバル化と証券市場のボーダレス化が進み、外国企業への投資を検討する投資家が多数存在するようになった今日、IFRSを自国の会計基準として採用している、または採用しようとしている国は、既に100ヶ国以上に及んでおります。日本においては、適用時期が延期され、任意適用を実施している企業は少数ではありますが、グローバル化の流れの中で、将来的にはIFRSの採用は避けられないテーマであると考えております。
なお、IFRSの採用にあたっては、当社を含め日本の上場企業が採用してきた会計基準から大きく処理方法が変わることから、その対応には多くの時間と労力を要するものと考えられます。このため、当社においては、今後の金融庁の動きに注目する傍ら、IFRSへの対応について更に検討を重ねてまいります。